―百合色―
百合と付き合って、
明日で一ヶ月となる。


俺達の付き合いは順調だが………


ひとつだけ問題があった。


─キーンコーンカーンコーン


この音と共に、学校が終わりを告げる。


『百合─帰るぞ!』


『うん!』


俺達は、毎日一緒に帰っている。


『相変わらずラブラブだねぇ!』


ゆかの大阪弁がだんだんと標準語に変わりつつあるが、気にしない。


ゆかは毎日のように俺達を茶化す。


『うるせぇ!ほら行くぞ!ほらっ!』



俺は百合に右手を差し出す。

百合は迷わず左手を差し出して、俺の指に絡ませる。


そして、元気よく教室を出ていくんだ。



これでも結構成長したんだよ?


付き合いたての頃は、
手を繋ぐことさえ出来なかったのだから。
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