―百合色―
俺と百合が付き合っているという事は、学年の人達全員が知っている。


だから、こんな堂々と帰れるんだ。



タクミも俺達の事を祝福してくれた。


修にもちゃんと言った。
修は、


『おめでとう!百合を幸せにしないと怒るからな!』

と俺に、タクミと同じ、
祝福の言葉をくれた。


少し申し訳ない気持ちだが、俺は、何も間違っていない。



そうだろ?



『光輝!光輝!』



『んあ?』


『もうっまた?最近光輝考え事ばっかりしてるよ?』


ば─か。
お前の事考えてるんだよ。

『ごめんごめん!』


だってさ?
俺もまだ緊張するんだよ。

百合と一ヶ月付き合ってきて、まだ緊張がとれない。

百合の体温が、じんじんと俺の右手から伝わってくる。


緊張しないなんて…


無理だろ?
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