―百合色―
───…


『光輝!』


『なんだよ?』


誰かに呼ばれた。

だから、俺は反応をする。


振り返った瞬間─…


俺は堕ちた。


その光景が、現実なのか、嘘なのかすら分からないくらい…ショックな光景だった。


『何で…タクミ?』


その光景とは、タクミと、もう一人いた。


タクミがその人を抱き寄せ、はなさないようにギュッと掴んでいた。



『俺達、付き合う事になったから!』



『………は?』



『光輝は、ちっともキス出来ないらしいからさ』



………何言ってんだよ。



『そういう事だから!じゃあな!』



『はっ待てよ!意味分かんねぇ!!』



タクミの隣にいるもう一人の人は、俺を見て、
フッと笑った。



何言ってんだよ…


俺はお前を渡さない。
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