―百合色―
先ほどの衝撃的な光景は、どうやら夢だったらしい。


『良かった~…夢で』


もし、現実に起きていたら、俺は冷静になんかいられない。


タクミを恨む。

そして憎む。


いや、それ以上何かをするかもしれない。


まぁ、その時になったらの話だが。


絶対、ならないようにする─…


絶対、誰にも百合を渡すもんか─…



俺は、体を起こし、
カーテンを開ける。


『うわ…眩しっ…』


急に暗かった部屋が明るい部屋へとなった。


太陽の光が、あまりにも綺麗で、少しだけ笑った。


俺は、次に洗面所へと向かい、顔を洗う。


気合いをいれるため、
何回も洗う。


洗い終わったら、
リビングへと行く。


『あれ…?もう仕事か…』


今日の朝は一人。


寂しいが、もう慣れた。


俺は再び、自分の部屋へと戻る。
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