―百合色―
『ちっ違う!忘れてたとかそんなんじゃないって!』


『じゃあ何よ?
私、ずっと待ってたんだから!!0時じゃなくてもいいと思って、待ってたんだから!もしかして寝てたとか言うんじゃないの?!』


…正解です。
ぐっすり寝てました…



俺達のやりとりを、
面白そうに見る人達が大勢いる。


その人達の視線が痛い。


見んなよ。
お前達には関係ね─よ。



『なぁ百合、ここでケンカするのやめね?
違う場所で話そ?』



『私は行かない。
もう用ないから!』


百合は、すごい大きな足音を出して、教室を出ていった。


『は?意味分かんねぇ。
俺の話は聞いてくれねぇのかよ!!!』


後ろ姿の百合に投げた、
俺の激しい暴言。


その暴言で静まりかえる、教室。



なんでこうなるの?


俺、忘れてたけど…
この日を大事にしたいんだよ?


なんで…ケンカになるんだよ…
< 199 / 353 >

この作品をシェア

pagetop