―百合色―
気が付けば、ここにいる。

嬉しい時も─

悲しい時も─


ここに来れば、落ち着くんだ。


さっきまで悩んでいた事が、ベンチに座った途端無くなる気がする。



結局、百合には謝れなかった。


百合が悪いんじゃない。

俺が悪いんだ。


約束を破ったから。


『まだ百合…怒ってるかな?』



百合に嫌われたかな?


考える事は、いつもマイナスな考え。


この性格がだめなんだ。



そうだろ?


ザワザワと桜の木が揺れる。


まるで正解と言っているみたいだ。



俺は何も変わっていないのかな?


臆病になっている。

百合と付き合えて幸せなのだが、何故か…不安でたまらなくなる。


何故?


それは百合を好きじゃないから?



いや、違う。


何故かって?
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