―百合色―
流れる雲は、
ゆっくりとゆっくりと南の方へ流れていった。



『なぁ、俺思ってたんだけどさ、何でタクミは彼女作らねぇの?』


俺は気になっていた事をタクミに聞いた。


この話題に食い付いてきそうな疾風は、タクミの隣で寝息をたてて寝ていた。


疾風の顔を覗くと、
意外にも可愛い寝顔。


『ゆか~』


と寝言を言っていた。


幸せモノめ。


『疾風、寝てるし。
タクミ、答えろよ?』



『…さぁな?モテねぇからなぁ?』



『嘘だろ?』


嘘に決まってる。

俺は何回か見たぞ?


タクミが女子に話しかけられている所を。


その人達は全員先輩だった。


しかも可愛い系や、
綺麗系の先輩ばかり。


『俺、今彼女いらねぇからさ』



そんな言葉言いたいよ。
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