―百合色―
『勿体ね~お前バカだなぁ~』



『そ─か?そのうち欲しい時になったら作るよ』



『あっそ』


タクミは外見も考え方も、大人っぽい。


高校になってから一気に大人になった。


でも俺は、タクミに比べて幼稚。


タクミのような人間になりたいと思った─…



─キーンコーンカーンコーン


昼休みの終わりのチャイムが鳴る。


『そろそろ教室戻るか。
疾風─起きろ─!!
次生物だぞ?生物室行くぞ!』



タクミが疾風の体を揺さぶる。

疾風は目を擦りながら、
めんどくさそうに起きた。


『やっぱお前らといると楽だわ!』



俺が二人を見て思った素直な感想。


『なんだそれ』

『ゆかぁ~』


俺達は、ポカポカに温かくなった屋上を後にした─…
< 214 / 353 >

この作品をシェア

pagetop