―百合色―
『光輝─光輝─!!』


俺を遠くから呼んでいる人がいる。


俺は、そいつの方へと向かった。


『どした?亮?』


『なぁあれ見てみ?
校門の前に女の子が立ってるんだ』


亮は校門の方を指差した。

俺はその先を見た。


後ろ姿で、顔は分からないが、どこかで見た事のある後ろ姿。


そして、あの制服も見た事がある。



蘇る、あの人──…


忘れもしない。

あの言葉──…


ついに来た。


この時が──…



『マナ…』



『あ?マナ?マナって誰だよ?ちょっ光輝──?!』


俺は亮の話を最後まで聞かずに、走って行った。


途中、百合とすれちがった。


『光輝?!何走ってんの?!帰るよ─?』



『教室で待っとけ!
すぐ行くから!!』



ついに来た─…


忘れていた─…


復讐の時─…
< 217 / 353 >

この作品をシェア

pagetop