―百合色―
『百合?どうした?』


俺も百合に応えるように、百合を強く抱いた。


『光輝~…』


百合は俺の体に顔を埋め、ひたすら名前を呼んでいた。


『ん?』



『…私大丈夫だよ?
全然…大丈夫だから…』


『うん…』



次に百合から出た言葉は、信じれない言葉だった。

なぜ、百合はこんな事を言ったの?


百合は、強がりだ。


百合、もっと甘えていいんだよ?



『元カノと…会って話し合って?もっとちゃんと…』


『えっ…なっ何言ってんの?俺マナとはやり直すつもりないよ?今百合と付き合ってるんだよ?』


沸々とイライラが沸いてくる。


キツイ言葉を百合に浴びせないように、優しい口調で話す俺─…



『私、大丈夫だから…ね?』


百合は顔を上げ、
涙を流しながら、笑った。


俺の大好きな─…


あの笑顔を─……
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