―百合色―
公園に着くと、俺達は、
枯れ葉がたくさん乗ったベンチに向かう。


ベンチに乗っていた枯れ葉を手で払い、マナを座らせた。



秋風は、すごく冷たい。


俺はポケットに手を入れ、空を見上げ話始めた。


『なぁ、マナ?
マナはさ、何がしたいわけ?』


ゆっくり視線を落とし、
マナの方を見る。


『私…まだ光輝が好きなの…忘れられない…』



『俺は…無理だ。
はっきり言わなきゃいけないと思う。俺には…マナ以上に好きなやつがいるんだ』


『今の彼女でしょう?』



『うん、マナの事は嫌いじゃない。でも好きでもない。俺さ、よく分からないけど、今はあいつしか見えないんだ』


『………』


マナは黙りこんでしまった。


俺は再び空を見上げる。


この空は百合が見ている空と繋がっているから─…
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