―百合色―
『光輝…私本当に好きなんだよ?』



『何回言っても同じだよ。なぁ、マナ?俺はお前と出会って良かったと思う。
だから、感謝してるよ』



『私も感謝してる…出会えて良かった…でもっ…』



だんだんと、《百合に会いたい》という気持ちが膨らんできた。


百合も今きっと不安でいっぱいだろう。


早く安心させてあげたい。
百合を迎えに行きたい。


『マナ…幸せになってよ。俺すごく願っているよ、
マナが幸せになってくれるのを…俺は自分で幸せを掴んだんだ。だから、マナにも幸せを掴んて欲しい…』


『光輝…』


マナの瞳を見ると、
今にも溢れそうな大きな滴がたまっていた。


『泣きたい時は泣けよな、俺すっげぇ恥ずかしい事言ってんな!!』



決めてたんだ。


別れる時は─…


別々の道を歩く時は─…



百合みたいな、笑顔で、

別れようって──…
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