―百合色―
百合も同じ事を思ってくれているだろうか?


でも、恋愛には大きな落とし穴がある。


それは、《出会い》があるなら、《別れ》もあるという事。


百合は、俺なんかでいいのかな?


百合はこの長い人生を俺と歩んでいく気はありますか?


俺は、ある。


百合に捧げるよ。


俺の残りの人生──……


──…俺達は一度も手を離さず、学校に到着した。


今はちょうど四時間目が終わったところ。


校内はざわついていた。

購買に行く人や、廊下で話をしている人。


俺達はその人達の横を通り、教室へと向かった。


『あっ百合~光輝君~!』

一番初めに俺達に気付いたのは、相変わらず元気なゆかだった。


『おはよ~!』

百合は挨拶をする。

『おはよ!ご飯食べよ─!』


教室には、疾風とタクミもいた。

俺は二人に挨拶をする。


『何だよ?朝帰りでもしたの?』


馬鹿な疾風がこう言った。

俺は疾風を叩いた。


百合とはキス以上進んでいない。


早くひとつになりたいなと、ゆかと楽しく喋っている百合を見ながら思った。
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