―百合色―
ゆかと疾風は俺達の事なんかどうでもいいらしい。

二人でイチャついている。

俺はそんな二人をほっといて、百合を見つめた。


『何?』


『えっとね…何て言ったらいいんだろ…タクミ君…』

『何だよ、タクミ』


次はタクミを見た。


『言うよ?』


『うん…』


早く言えよ。

そのうち俺はお前を殴るかもよ?


『百合がお前と旅行したいんだってさ』


タクミから出た言葉で、
体の力が一気に抜けた。


今、タクミ何て言った?


もう一度思い出してみる。

《百合がお前と旅行したいんだってさ》



俺は現実か確かめるために、自分の右頬をつねった。


痛い。


嘘じゃない。現実だ。


俺は再び百合を見る。


百合は、顔を真っ赤にさせ、目を泳がせていた。


『ほ…んと?』


と聞いたら、百合は、

コクンと頷いた。
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