―百合色―
百合の部屋を出て、
俺は優さんの部屋へと案内された。


部屋にはたくさんの写真が飾られてあって、小さい頃の百合の写真や、家族の写真が貼ってあった。


『座って?』


指示されたように、
大きなソファーへと腰を下ろす。


目の前に優さんが座った。

ゴクンと唾を飲み込む俺。

優さんと会うのは、これが初めてではないのに、
いつも緊張してしまう。


『百合とは仲良くやっているかな?』


『はい、仲良くやってます』


『光輝君、僕は百合を君に任せたいと思っているよ。君なら安心して百合を預けれるからね』



『ありがとうございます』

『でもひとつだけ条件があるんだ』


『はい…』


優さんが言った条件を、
俺はいつまで守れるだろうか?


『百合を泣かせないで欲しい』


この条件、約束を破った時は、もう百合の目の前には俺の姿はないだろう─…
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