―百合色―
その部分とは、
《クリスマスカップルに大人気!夜景が綺麗な、旅館☆》

と大きく書いてあるページだった。


『百合、ここに行きたいの?』


『うん、ここからそんなに遠くないし、夜景がすごく綺麗らしいんだ!』


『へぇ─…』


俺はただこれだけしか反応が出来なかった。


嬉しかったんだ。

百合がここまで考えてくれていたなんて─…


嬉しくて、

嬉しくて、

百合を抱き締める腕が、
強くなった。


『光輝?』


俺は百合の背中に顔を埋めた。


『じゃあクリスマスにここに行こうぜ!
百合が風邪治ったら予約してこよ!』


『そうだね、クリスマス楽しみ!早く風邪治すね!』

俺と百合は数秒見つめ、

今日二回目のキスをした。

そのキスは薬の苦い味がしたが、俺は満足だった─…
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