―百合色―
今、俺はすごい嫌なやつだろう。

自分の事しか考えてない、
情けない男だ。


俺は携帯を取りだし、
着信履歴から百合の名前を出し、電話をかけた。


謝りたい。


それだけを思い、電話が鳴るのを待った。



──…プルルル…


聞き鳴れたこの音を3回程聞いた後、百合の声に変わった。


『光輝…』


『百合?さっきはごめん…』


『…ううん…』


百合の声に元気がない。


『百合元気ないね?どうした?』


『…ううん』


俺達の会話の中に、
いつもみたいな笑い声はない。


『…あのさ、今から秘密の場所に来てよ…話したい事があるんだ』



そう百合に告げると、
俺は部屋の電気を消し、
鍵をかけ、秘密の場所へと向かった。


冬は、日が落ちるのが早い。


辺りは、暗い闇みたいになっていた。
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