―百合色―
家には俺一人しかいない。
だるい体、

流れ落ちる汗、

赤い頬。


俺は仕方なく、ダウンコートを羽織、携帯と財布を持って薬局へと行った。


重たい体を引きずって、
薬局へと目指す。


『くしゅ…くしゅ…』


くしゃみが止まらない。


今年の風邪はなかなか治らないと、テレビで誰かが言ってたっけ…


当たりだな。


俺は携帯を取りだした。

百合からの連絡は…ない。

当たり前だろう。


俺は百合を自由にしたのだから。


『はぁ~…』


俺は空を見上げる。


真っ暗な雲が、鮮やかな空を覆っていた。


『もうすぐ…雪が降るかもな…』


しばらく経って、薬局が見えた。



自動ドアが勝手に開く。


俺はフラフラしながら、
風邪薬の置いてある場所へと向かった。
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