―百合色―
『あっ…あった…』


あった…
俺の受験番号。
何度見ても、俺の受験番号と同じ番号。



『あった!!マナ!俺あった!マナは?マナあった?』


俺はマナの方を向く。



『マナ?』



『ない…落ちたんだ…』



は?
嘘だろ?
あんな頑張ってたじゃん。ないわけあるかよ…



俺はマナの受験番号を見て、番号を探した。


でもどこを探してもマナの番号はどこにもなかった。


マナは不合格だった。


俺は何て言ったらいいだろう?
励ましたらいい?


俺は二人共合格すると思っていたから、こんな事になるなんて想定外だ。


俺達の間には会話はひとつもなく、清秀高校から去っていった。


行きのバスでは、楽しい話を一生懸命してくれたマナ。


次は俺がする番だ。

でも何も言えなかった…


マナ…

俺も辛いよ。
二人で頑張ってきたのに…


二人でこの高校を通うつもりだったのに…
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