―百合色―
一日終えるごとに、
百合に会いたいという気持ちが膨らんでいく。


あの写真を見れば、
あの日の百合の残像が浮かぶ。


百合…

今自由に羽ばたいてる?


この空を楽しく飛んでる?

元気ならそれでいいんだ。

まだまだ時間はあるから、
もっと高くまで飛んでみなよ──……?



──……最近、ある人に変化があった。


あのクールなタクミに春が来たようだ。


『あ~…やばい…』


最近のタクミの口癖。


『またそれかよ…』


俺は通販雑誌をペラペラ捲りながら適当にタクミの発言を流していた。


『俺変だよな?こんな気持ちになるの初めて…』


『じゃあ会いに行けば?
愛しの萌ちゃんに』


『…うっせぇよ…』



すると、トイレから帰ってきた疾風と亮が興奮しながら俺達の所へと来た。


『ちょちょ…タクミ!』


『あ─…?』


『なんだよ、お前ら?』


疾風は興奮して、上手く話せないでいた。


亮はニヤニヤと笑っていた。
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