―百合色―
なぁ、頼むよ。


俺の親友を、幸せにしてやってくれ。



数分後、顔をピンク色に染めたタクミが、下を向いて戻ってきた。


『タクミ─!おかえり!
どうだったぁ?』


亮が楽しそうにタクミに聞く。


タクミは無言のまま、
座った。


『…何だよ?』


俺はさっき読んでいた通販雑誌を閉じ、タクミに質問をした。


『なんかあったか?』


タクミはまだ無言。

俺はタクミの顔を覗いた。

タクミは、今までみた事のない、恋をしている顔になっていた。


『…やばい…やばい…
すげぇ心臓うるさい…』


それを聞いた俺達は、大爆笑。


『タクミがそんな事いうとはなっ!タクミそれは恋だな!』
< 330 / 353 >

この作品をシェア

pagetop