―百合色―
家に帰り、俺は早速写真集を見た。


一ページ捲るごとに、
心が癒されてくる。

俺は微笑みながら、その写真集を見ていた。


ちょうど中間のページに来たころだろうか?


俺の手が止まった。

それと、俺自身も止まった。


そのページに、
写っていたんだ。


きっとモデルになってもらったのだろう。


娘だから─…


『百合…』


俺は金縛りにあったように、何も出来ないでいた。


だだそのページを見つめるだけ。


その写真とは、周りにはなにもなくて、
あるのは綺麗な青空と、白い雲だけだった。


その中に、百合が空を見上げて写っていた。



すごく幻想的で、
すごく綺麗で、


俺の胸はリズムよく弾んだ。


また…苦しい…
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