―百合色―
俺は写真集を大事に本棚にしまった。


百合に会いたくなったら、これを見ればいつでも会える。


そう自分にいい聞かせながら──……



──……空にはでかい入道雲が広がっている。


そして、桜に変わり、
ヒマワリが咲き始める。


『夏か…』


もう夏がやって来た。

俺が大嫌いな夏が。


去年は、百合と一緒に暑さと戦ってたな…


もうあれから一年か…

早いな…二年なんてあっという間かな?


俺にさ?
目標が出来たんだ。


一応だけど、夢が出来たんだ。


『光輝─!』


タクミが俺の名を呼んだ。
俺は眠たい体を起こし、
タクミの方を見た。


『んだよ?』


『また髪染めて』


『またかよ?』


俺は眉間にしわを寄せ、
タクミを睨んだ。
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