―百合色―
『いいじゃん、光輝に染めてもらうのが一番いいんだよ』


『はいはい…』


俺はタクミの要望を聞き、また体を机に伏せた。


そう、これが俺の夢。

一応だぞ?


この夢に決めたのは、
自分で自分の髪を染めた時だ。


自分で染めるのはちょっと自信がなかったのだが、
時間と金がなく、自分でやってみた。


そしたら、案外上手くいき、タクミ達に誉められ、
いつの間にかタクミ達の髪も染めるようになった。


髪をいじるのが今では楽しい。


だから俺は専門学校へと行き、美容師になりたいんだ。


美容師になるのは国家試験などに合格しなければならない。


かなり難しいだろう。


でも、俺頑張るよ?


いつか百合の栗色の髪の毛をいじれる日が来る事を祈って、


俺は今日も夢に向かって進んでいく──………
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