―百合色―
『あっあったあった』


俺には好きなカメラマンがいた。


今日はその好きなカメラマンの写真集の発売日だった。


俺が手にとった写真集には
《君を想う 写真家 鈴木優》

と本の帯に書いてある。


そう、俺が好きなカメラマンは、鈴木優さんだ──…


──…ずっと前のこと。


俺は本屋にたまたま入り、ブラブラと物色をしていた。


そこで目に写ったもの。
それは、一冊の写真集だった。


俺は表紙の写真に吸い込まれた。


何もないただの青空なのに、何か吸い込まれるモノを感じた。


俺はその写真集をレジへと運び、買った。


そして、家に帰ると、その写真集をじっくりと見た。

今では俺の宝物。


俺は鈴木優さんのファンになった。


最後のページに、
鈴木優さんのプロフィールが書いてあった。


鈴木優さんは、俺の近くに住んでいるらしい。
今はフリーカメラマン。
二児の父親。
そして、鈴木優さんからの言葉が綴られていた。
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