―百合色―
『って何思い出してるんだろ』


俺はお金を支払い、本屋を後にした。


『ありがとうございました~』


店員の声と同時に、
自動ドアが開く。


俺は家に帰ろうとした。

この写真集を早く見たかったから。



でもこの写真集を見れるのは、まだ先だろう─…


なぜならば、
俺の目の前に信じれない映像があるから。



『マナ…』


俺の前にいた二人の人。


一人はマナ。


もう一人は、俺の見たことのない人だ。


マナの学校の制服の…男。

マナと仲良く手を繋いでいた。



俺は何も考えれなかった。

は…?
マナ…今日学校で会えないんじゃねぇの?


嘘だったのかよ…
何で…俺の知らないヤツと歩いてるんだよ。


俺に見せる笑顔を、あいつに見せるなよ…


今までのドタキャンの理由は嘘?


馬鹿らしいじゃねぇか。
マナを信じていた俺が。


マナを信じた俺が…


馬鹿らしいじゃねぇかよ。
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