―百合色―
もう嫌だ…

何もかも。


素直に言って欲しかった。謝って欲しかった。


なのにマナは…嘘をついた。


嘘のない世界に俺は行きたい。

でも俺はこの世界で人生を歩んで行かなければならない。

この世界から抜け出す事など…出来ないんだ──…



──…そんな世界に朝は必ず来る─


雀の鳴き声が、俺を起こしてくれた。


いや、ずっと起きていた。

眠れなかった。
寝ようとしても…夢の中にまたあの映像が浮かぶかもしれないという恐怖が襲うから。


俺はずっと天井を見て、
ただ時間を過ぎるのを待った。



『学校…行くか…』


俺は精神的にダメージをくらった重たい体を、
ゆっくりと起こし、学校の準備をし始めた。



行きたくねぇ…


でも行かなきゃ…
家に居ても、マナの事を考えるだけだから─…
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