―百合色―
朝の電車とバスは嫌いだ。人が多すぎる。
人混みが嫌いな俺には憂鬱すぎてならない。


朝から疲れる。
疲れた体を動かし、学校へと向かう。


下駄箱で、スリッパを履き替えている途中、タクミが俺の前に現れた。


すごく心配した様子で。



『光輝…どうだった?』


タクミ…
心配してくれてたんだ…


ありがと…


『嘘つくんだよ。だから、連絡するなって言った』



『お前はそれでいいのかよ!』


『…いいんだよ』


『お前は麻生の事好きなわけ?』



好きに決まってんだろ。



『光輝、聞いてんのかよ!』


朝の校内にタクミの声が広がる。


俺のイライラがまた増えていく。


『俺が一番苦しいんだよ!うっせぇな』


振り返ってみる生徒も増える。


『もういーわ、じゃあな』

タクミは完璧に怒った。
俺の事を心配してくれて、話かけてきてくれたのに…


俺はキツイ言い方しか言えなかった。


ごめんな…タクミ…
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