―百合色―
俺はカバンから携帯を出し、マナにメールを打つ。


ボタンを押す手が焦り、
何回も間違える。



《ごめんね…》


ただこの一言だけ送った。

返事はすぐに返ってきた。


《私もごめんね。今日会える?会いたい…》


マナからのメールを読むと、心が痛い。

マナを苦しめたのは俺だ。

マナを守れなかったのは俺だ。

全て俺に問題があった。



俺は逃げない─…


《俺も会いたい。》


素直にこう言う。


だって俺はマナが好きだから。


マナを見る。

マナしか愛さない。


マナを…マナを…



──…今日の夕方、いつもの場所で会う事となった。

マナに聞いてみよう。

例え、マナから聞く事が、辛い事でも、全て受け止める。



百合?
俺さ、百合の笑顔を見ると、元気になるんだよ。


ありがとな。
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