―百合色―
『俺の知ってるゆりはこいついない』


修はその写真を真剣に見ていた。


『あっうん!この人!俺の好きな人だ!』


あの願いは、砕け散った。


まじで?
修…百合が好きなの?


俺に大きな岩が落ちてきたみたいだ。


じんじんと痛くなる。


今俺は暗い顔してるだろ?


なぜかわからないけど、
苦しいんだ─…



『百合…なんだ?俺の隣の席だよ…こいつ』


百合を初めて《こいつ》呼ばわりした瞬間だった。


ごめん…百合。



『まじ?じゃあ仲いい?』


『まぁまぁ…』


『ホント?連絡先とか知ってる?』



『俺、マナいるから、聞けねぇよ!』



『だよなぁ~…聞いてくれん?』


また俺に大きな岩が、
落ちてきた。


その岩のせいで、
次の言葉が出ない。
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