―百合色―
携帯の向こう側から雑音が聞こえる度、俺の心臓は高鳴る。

百合の声が聞こえる度、
俺の鼓動は加速する。


俺はおかしな症状になる─…

百合だけだろうか?


俺は修の言われた通り、百合に話続けた。


『お前彼氏いなかったよな?』


『うん』



答えるのが速い。


『お前好きなやつもいなかったよな?』



この質問をしたら、
百合の返事は、さっきとは違って、遅い。


好きなやついるのか?
と疑った。


『いない…』


でも百合はこう言った。


あの間は何だったのだろう?



そろそろ言ってもいいかな?



『実はな、俺のダチがお前を前に見た事があって、一目惚れしたらしいんだ!』


『えっ』

百合は案の定戸惑ったようだ。



俺には限界が近付いてきていた。


この心臓の高鳴りと、
鼓動の加速に、限界が見えてきた─…
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