priere (プリエール)
それでも引き下がらない母は私の手を掴むと





力任せに車で連れてい行き病院へ車を走らせた





その日から母の強引な病院通いは続いた





初めては反抗していた私だけど・・・





熱心な母と先生達に後押しされ





いつからか真面目に取り組むようになっていた





少しずつ動くようになってきた小指





その回復に嬉しさも感じていた・・・





だけど





現実はそこまで甘くない





普段の生活にとっては気にならない程に回復した小指も





ピアノを弾くとなるとワケが違う





思うように動かない小指に





苛立ちは募る一方だった





私にとってその現実は





とても受け入れ難く





その内リハビリも





ピアノを弾くことも





やめてしまう





そして・・・





生きることさえも・・・







< 35 / 36 >

この作品をシェア

pagetop