スケッチブック【完】~対立した二人の過去~
「犯人は自主したって。

その知らせを聞いても、嬉しくもなんともなかった。

もし俺が父さんに言われて絵を描いてなかったら…
まだ隣にいたのに…。」

黒沢は悲しい、泣き堪えるような顔で話す。

「だから、絵を描いてるのはイヤだ。

あの日の、父さんを思い出すから…」

黒沢…

黒沢も辛かったんだ…。

自分のせいで、1つの命がなくなり
周りからは同情されるばかり。


そう思うと、なんだか悲しくて
涙が込み上げてきた。

そんなあたしを見て、黒沢は
「え!?
なんで泣いてんだよ!?」

と、本気で焦っていた。


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