スケッチブック【完】~対立した二人の過去~
「あたしね、親友の人生奪ったんだ。」

いきなり口から出た言葉に、葉は驚いてる。

「その子の似顔絵かいてあげたの。

そしたら、その絵がそこの藤棚のとこに引っかかっちゃって
取りに行こうとしたんだ。」

あたしは、
すぐ隣にある藤棚を指差した。


「もちろんあたしは止めた。

そんな絵に、価値無いからって…

そしたらね『あれは、夏ちゃんがわたしのために描いてくれた絵だから!』って…

なんとか、絵に手が届いたかと思うと
足を滑らして落ちちゃったんだ…。

あたしは、咄嗟に動くことができなくて顔面ぶつけちゃって…

すぐに大人の人を呼びに行った。

なんとか命は取り留めたけど、失明だって」

葉は、黙ってあたしの話を聞いてる。


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