スケッチブック【完】~対立した二人の過去~
どうしよ…

そう思っていたときだった。

「…俺、とってくる。」

!!

「ちょっと、人の話聞いてたの!?

お願いだからやめて!!」

「やだ。

ちゃんと取ってくるから。」

「あんな絵のために
そんなことしないで!」

公園にあるといっても
あの藤棚は軽く5mはある。

落ちたら、軽い怪我程度ではすまないだろう。

「あんな…?

夏にとってはその程度かもしれない。

けど、俺にとってはお前がくれた
【宝物】なんだ。」

ドキン…


葉…

そんな言い方されると
あたし期待しちゃうじゃん…。


「葉…

絶対無事に取ってきてよ?」

過去を振り払うという意味も込めて、あたしは葉にそういった。



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