スケッチブック【完】~対立した二人の過去~
葉は鼻でフッと笑うと

「笑顔で待ってな!」

と言い
藤棚にのぼり始めた。

のぼりは、行きやすいらしく
スイスイのぼっていった。

絵までたどり着くと、上から手を振ってきた。

「や…
危ないからやめて~!!」

心配する、あたしの気持ちとは裏腹に
葉は「平気平気♪」と言わんばかりの顔で
手を振ってくる。


手を振るのを、止めたかとおもうと
その場から動かない。

……?

いったい何するつもり…?

そんなことを考えてると
葉はあたしを見て

「俺、こっから降りるから!」

と叫んだ。



思考がまともに働かない。


……。



…………。



「えぇ~~!!?


ちょ、ホントやめて!

5mある藤棚から飛び降りるなんて
無茶だよ!」

慌てながら、葉に向かって叫ぶあたしを
無視して、葉は降りる準備を始める。


「もぅ、ホント…「俺、着地成功したら、
お前に言いたいことあるから!」


ドキンドキン

鼓動が早くなり、あたしはそれ以上何もいえなくなってしまう。


「じゃ、行くぞ!」


「葉──!!!」

力の限りあたしは叫んだ。


ドスンっ

そんな音が響く。

あたしは怖くて目が開けれない。



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