スケッチブック【完】~対立した二人の過去~
教室を出た後、あたしは裏庭に向かった。

授業をサボるときはいつも、この場所にいる。

要するに定位置。


「──…ッ!!」

その場所には、いつもは居ないはずの人影が見えて。


先客…?

少し近づくと、顔がハッキリしてきた。

裏庭には制服を着崩したクラスメート
黒沢 葉(クロサワ ヨウ)がいた。


げっ…


黒沢はクラスとかで
よく睨んでくるから苦手。

別に、コレといって何かをした記憶はさっぱり無い。

かといって
別の場所では授業が行われてるから、移動はできない。


…しょうがない。

あたしは覚悟を決めると、黒沢から5mくらい離れたとこに座った。


黒沢は目を閉じていて
あたしに気づいてるのか、気づいてないのか、分からない。

──気にしなければいいよね…。

あたしは、そう考えると
上を向き、いつものようにスケッチブックに
空を描き始めた。




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