スケッチブック【完】~対立した二人の過去~
──空は好き。

いろんな表情があるから。


──人を描くのは嫌い。


だって…──


「──ねぇ
止めてくんない?」

綺麗な空が一瞬にして隠れる。


あたしの目の前には黒沢がいた。


いつの間に…?


そう思いながらも、あたしは絵を描き続ける。


だいたい何に対して止めろと言っているのか分からないので、あたしにはどうすることも出来ない。

「止めろっつってんだろ!」


そう言って黒沢は
あたしが書いた絵を引きちぎると、ぐしゃぐしゃに丸めて投げた。





なっ…――!!!


「目障りなんだよ…。」




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