スケッチブック【完】~対立した二人の過去~
そう言った黒沢の目には、あたしに対する嫌悪感、憎悪の気持ちが見て取れた。
あたしは反射的に黒沢を睨んだ。
「…あんだよ?」
黒沢もあたしの視線に気が付いたようで、そう言い返してくる。
こいつ…
反省の色が全く見られないんですけどっ!?
「止めろっつっても止めない、お前がわりぃんだぜ?」
挙句の果てに飄々とした様子で、そんなことを言い放つ黒沢。
ブチッ
あたしの中で何かが切れた気がした。
パァン
気がつくと
あたしは黒沢の頬を叩いていた。
「あんた…最っ低!!
人の…
人が描いた絵捨てといて…
それがあんたの言うセリフ!?」
黒沢は
叩かれた頬を押さえながら
こっちを見ていた。
─と言うより
睨んでいた。
それでも、あたしの怒りはおさまらない。
「あんたなんて…
…ッ大っ嫌い!!」
あたしは、それだけ言うと
ぐしゃぐしゃにされた絵を持って、教室に戻った。