本当の愛
「じゃーお姫様行きましょう♪」

青葉が冗談ぽく言いながら手を差し出してきたから
その上に手をのせる

「お姫様とかー;;」

青葉の手は…
あたたかかった
今まで感じたことがないくらいに

「あったかい…」

「そりゃ春だもん♪」

春だからじゃない
青葉の手が
青葉があったかい

―頬に何かを感じた

「妃菜!?なんで泣いてんの!?」

涙だったんだ
なんで泣いてるのか分かんない
でもマイナスな涙じゃないよ

だって…
泣いてるのに嬉しい
泣いてるのに笑顔になれる
泣いてるのにあたたかい―

「なんでもない…っ」

「なんでもなくないでしょ!?どっか痛い!?俺なんかしたぁ!!??」

「必死すぎだから…笑」

一人でパニくってる青葉を可愛いと思うのは
おかしいのかな??

「本当になんでもないから」

「んー…ならいいけど…」

今思えばこんなに心配されたことないな

風邪引いたって親…だった人たちは
薬をくれるだけだった

お母さんはそれなりに心配してくれたけど
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