本当の愛
「俺と一緒の部屋??」
「あ、ごめん
なんでもない…一緒の部屋なんか無理だよねっ」
私何言って…
馬鹿みたい
「…いーよ」
「え??」
「妃菜がいいなら俺は全然いい」
「青葉…」
この時の青葉の顔は
すごく安心した顔だった
「じゃあ案内するね」
と豪邸を慣れた足どりですたすたと歩いていく青葉
その後ろを駆け足で追いながら
私はこれから始まる新しい生活に
青葉と一緒に始める新しい生活に希望を抱いていた
絶対幸せになるんだ、と
それと同時に青葉を幸せにすることも心に決めた
もう二度と悲しい表情はさせない、と
私にとっても青葉にとっても幸せな生活を送れるようにがんばる
そう決めたのは
高校2年の春、家出をした日
これからどんなことが起こるかも知らずに
ただ目の前には幸せだけがあると思っていた―…