Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





『……っ…』


小さく、洩れた声。


あたしより一回りほど大きくて、少しゴツゴツした拳が震える。


―――疾風に事故のことを聞くのは、これが二回目だった。


一度目は…彼と初めて出会った日。


あの日疾風はどっちかって言うと、積極的に話をしてくれた。


ほんの少しだけど、自分はバイクで事故って死んだんだと…軽く笑いながら教えてくれた。なのに…。


どうしてだろう?


『……俺、あんま覚えてへんわ』


今日の彼は困ったように笑って、矛盾した事を言う。





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