Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
『陽ー菜ぁ?』
『ぎゃ!?』
またも考えに耽っていたあたしの脳内を、視界いっぱいに映った疾風の顔と明るい声が掻き乱した。
『さっきから“ぎゃっ”て何やねん。俺は化け物か?』
『うん』
質問に即答するとお尻を払いながら腰を上げる。
あたしに言う割には自分もぎゃーぎゃーと喚く疾風の横を通り過ぎ、ロフトから飛び降りると屋上を出た。
…そろそろ日向の補習も終わる頃やろうし、帰る前に駅前でクレープでも奢ってもらおう。
そんな事を考えながらスタスタと階段を下りていると、後ろから疾風が『陽菜っ!待て、置いてくな!』と、騒がしく後をついてくる。