Heavenly sky-あたしと君に残された日々-






想像通り『え、何この空気、皆さん夏バテですか?』と、アホ発言をしてくれちゃった疾風は、あたしを見つけるとニカッとこれまたバカみたいに笑顔を見せた。


その笑顔を見ながら、あたしの胸が痛みを訴えている事に彼は気が付いていない。


疾風が笑うたび、彼が今どんな想いで笑っているのかを想像すると胸が痛くなる。


『壱夜、またそんな本読んでんの?』


「もう読み終わった」


『え!?早っ!』


「そうか?」


『俺には10年あっても不可能やぁー』


疾風が笑えない状況にある事を知っているのはもちろんあたしだけで、壱夜と日向は多分その事を知らない。






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