Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
「お前なぁ、はよ言わんかい」
一瞬溜息を吐きだした日向にドキリとしたものの、すこし呆れたような優しい声色にもう不安はない。
『え?』と、情けない声を発した疾風の背中をバシッと強めに叩き、彼は歯を見せて笑う。
「なに水臭い言うてんねん」
『……』
「お前いっつも喧しいくらい喋るくせに、何でこんな時は静かやねん」
『…っ…』
「なんぼでも頼ったらええやろ?」
『何のためにあたし等がおるんよ?』
乗っかるように言葉を投げかけると、疾風は『…ん』と短く答えて頷いた。
壱夜は口を開きはしないけど、いつもの柔和な笑みが言葉以上に意味を持つ。