Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
「陽菜のせいで遅刻やわ」
『ふへっ!?』
日向のやる瀬無い声に無意識に対抗してか、変な声を洩らして覚醒したあたしの頭から大きな手が離れていく。
「ほら、行くで」と今度は手を引っ張られ、日向の家を半ば無理やりに連れ出された。
連行される形となったあたしの前に、あの大きな道路が現れる。
幽霊になったあたしが、初めて目にした景色。
ボケーっと、何台もの車が走り去る道路に目を向けていると、いつの間にか繋がれた手は離されていて…
『ま、待ってや!置いてかんといて!』
どのくらいボケっとしていたのか、既に豆粒ほどになった日向の背中を見つけると、あたしは急いで駆け出した。