Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
『おい待て日向っ!そんなに俺様を怒らせたいか?』
「……」
『何か言え、怒るぞ?』
「……」
『おおっと、なにも言えないぞ杉山選手!』
「……」
『ん、待て、この場合俺は怒るんか?』
「……」
『あれ、どっちや?』
「……アホ」
先を行く日向の周りでちょろちょろ動きながら、その言葉通りアホな疾風は今日も喧しい。
でもいつもと変わらないそんな姿に、あたしは少し安心していた。
きっと疾風の心の内は、前も感じたように複雑なものなんだろうけれど、騒ぐ事も出来ないくらいダメージの受けた疾風を見るのはもの凄く辛いから。