Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





「嘘や、じゃあ何で俺だけ…」


奥歯を噛み締めて呟く大悟の手が、真っ白なシーツを巻き込み皺を作る。


「何で俺だけやねん!」


悲痛な声が室内を満たす。


不意に視線を隣に向けると、天井を見つめた疾風の睫毛がキラキラと光っていた。


…もう、限界だった。


疾風が泣かないなら、あたしも泣かないでいようと思った。


けど、彼が初めて見せる涙は切なすぎて、いつの間にか溢れ出したしょっぱい雫に、見える世界が歪んでいた。







< 471 / 841 >

この作品をシェア

pagetop