Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
☆いくつもの戸惑い
静かな部屋。
聞こえるのは蝉の声だけ。
あたしは軽く洩れ続けるしゃっくりを押さえるようにして、体育座りした膝に顔を埋めていた。
「陽菜…」
耳元で日向の声がして、横に座っていた彼はあたしをそっと抱き寄せる。
西日が差し込んで、日向の金髪がオレンジ色に見えた。
『…っ…疾風が…』
小さく呟いた声が四角い部屋に広がり、それがやけに鮮明に聞こえる。
『……っ…』
胸が痛くて、言葉が出ない。
日向の腕の力が強まって、彼が微かに震えているのが分かった。