Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
未練を断ち切ったから、壱夜は疾風が幽霊でいる必要は無くなったって言うけれど、別に彼は嫌で消えたわけじゃない。
疾風は分かっていた。
自分が消えてしまう事を。
だったら…あたしは―――…
スッと日向から離れると、驚いたような瞳があたしを見つめる。
『うちは、成仏なんかせえへん』
「……陽菜」
『したくないんや』
拳に力を入れて言葉にすると、蝉の声が少し小さく聞こえた。
真剣な瞳で訴えるように二人を見ると、日向は何も言えない様子であたしをただ抱きしめる。
やっぱり日向の腕は、微かだけれど震えていた。